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初めて従業員を雇う時

初めて従業員を雇うとき

(新規創業 開業 労務管理 労働条件)

労働条件の決定、残業代の予算化

従業員を募集・採用するにあたり
どの様なことに注意して労働条件を決定すれば良いのですか?

優れた人材を確保することが企業にとって重要な事柄であることは言うまでもないことです。

優秀な人材を確保するためには、適正な賃金水準を確保することと、労働条件を明確にすることが重要です。

残業代の予算化が重要!!

賃金額を決定するにあたり総額人件費を考慮して決定する必要があります。その従業員にかけられる予算を総額人件費と言います。

 この総人件費が30万円であった場合、30万円を全部給料として従業員に支払ってしまったら、社会保険も入ることは出来ませんし、残業(時間外労働)手当を支払うことが出来ません。

 未払い賃金に関する労使間の紛争が増加している昨今において、残業(時間外労働)手当の予算化は企業防衛のためには極めて重要です。
給与を決定するにあたり、このことを踏まえて給料水準の決定を行う必要があります。

残業(時間外労働)手当を支払うことが出来る水準で基本給を設定した場合、基本給が低くなってしまいます。また残業(時間外労働)が少ない時期には賃金額が少なくなってしまいます。総額人件費の考え方は、人件費を節約する事が目的ではなく、残業(時間外労働)手当や法定福利費を支払うための賃金水準の設定が目的です。

 残業(時間外労働)が少ない月における給料の低水準化を防止する方法は、固定(定額)残業という考え方があります。総額人件費から、法定福利費(社会保険料・雇用保険料)を控除した金額を、所定労働時間の対価である基本給と残業(時間外労働)の有無にかかわらず支給する固定(定額)残業手当に分けます。

 固定(定額)残業手当は残業の有無にかかわらず毎月一定額を支給することとし、予定していた固定(定額)残業時間を超えた場合にはその月で清算を行う仕組みです。

固定(定額)残業制度の導入について

●労働時間、休憩時間、休日の設定

労働条件では給料と並んで重要な項目です。

 労働時間管理は、1日8時間、1週40時間の範囲内で、1週間に1日の休日が確保されるように勤務表をつくる実務です。毎週土曜日、日曜日といった特定された日が休日である場合には、勤務表を作成する必要はありません。就業規則や雇用契約書で明示するだけで足ります。

 しかし、天候や締め切り日の関係で、休日を別の日に設定する場合などは、予め休日を変更する旨の勤務表をつくっておくべきでしょう。

 隔週土曜日出勤など、1週40分時間を超える労働時間を設定する必要がある場合には、1ヶ月単位の変形労働時間制1年単位の変形労働時間制の導入が必要になります。

労働時間の原則は週40時間

労働基準法の労働時間の原則は1日については8間、週については40時間です。

 ですから40時間÷8時間で逆算すると週5日勤務となります。これだと週休2日制にしないと労働基準法はクリアできません。大企業であれば問題なくクリアできるでしょう。
法定休日は週1日でも構わないと労基法では規定されていますが、週の法定労働時間が40時間なのでどうしても週1日ではクリアできない訳です。

 中小零細企業、とくに新規創業・開業したての会社が初めて従業員を雇うときに直面する問題です。

週40時間制への特例制度

 原則の週40時間制(8時間×5日)をクリアできない場合は、労働基準法は特例制度を規定しています。労働時間の特例は数種類規定されていますが、変形労働時間制をご紹介します。

1ヶ月単位の変形労働時間制

1ヶ月を平均して週40時間

1年単位の変形労働時間制

1年を平均して週40時間

 上記の制度はそれぞれの業種で向き不向きがありますので、導入前に検討する必要があります。

特例措置事業所では週44時間以内

 商業、映画・演劇業、保健衛生業及び接客娯楽業であってパートタイマーなどを含めて、常時使用する労働者の数が9人以下の事業所(「特例措置対象事業場」といいます)における1週間の上限は44時間となります。

※メリットは下記をご覧下さい。

週40時間制と44時間制の月間総労働時間の時間差
 

31日の月

30日の月

29日の月

28日の月

1週40時間制

177時間

171時間

165時間

160時間

1週44時間制

194時間

188時間

182時間

176時間

時間差

17時間

17時間

16時間

16時間

『1週40時間制』よりも、月間16~17時間分多く労働させることが可能です。
言い換えれば月間16~17時間分の時間外労働(残業代)を削減することができます。

休憩時間は必要?

所定労働時間が6時間未満

休憩時間0時間でもよい

〃 〃6時間以上8時間未満

45分以上

〃 〃8時間以上

60分以上

紛争予防の為には

特に労働時間と休日は重要です。

 労働基準法では1日8時間、1週40時間(44時間)を原則としており、この範囲内で労働をさせなければなりません。

 この時間を超えて労働させれば、残業手当(時間外労働手当)が発生します。始業及び終業の時刻、休憩時間、休日に関しては明確にすることが労使間の紛争を防止する為には必要なことです。

残業代(時間外手当)の計算方法

残業代(時間外労働手当)の計算の基礎から控除できる賃金は以下のものです。

  • 家族手当(※)
  • 住宅手当(※)
  • 通勤手当(※)
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 臨時の手当
  • 一時的な賃金

※名目上だけのもでは、控除は出来ません。手当支給のルールが必要です。

上記以外のものは、残業代(時間外労働)の計算にあたり全て分子に含めます。

 では、残業代(時間外労働)の計算にあたり分母はどうすればいいのでしょうか。これは年間平均の月間所定労働時間です。一年間の総労働時間を12で除したものになります。

この計算式によって導き出された単価に以下の乗率をかけます。

  • 残業(時間外労働)の場合は1.25
  • 法定休日労働の場合には1.35
  • 法定休日労働の場合には1.35
  • 深夜労働の場合は0.25を上乗せ

労働契約で確認する最小必要項目

●パートタイマー、アルバイト、短時間労働者

パートタイマー、アルバイト、正社員等の違いって何ですか?

結論から言うと違いは殆どありません。

 解雇をする場合にも、全て客観的合理的な理由が必要ですし、年次有給休暇(勤務時間・日数比例付与)も与えなくてはなりません。

 また、一定の条件を満たせば社会保険、雇用保険にも加入させなければなりません。
これらの分類は労務管理上の必要性から分類しており法律上の定義ではありません。労務管理上の必要性とは、労働者個人毎に労働条件を決めることは効率的ではありません。

 正社員はこのような条件、パートタイマーはこのような条件等、画一的に労務管理をする為です。

重要なことは

 初めて従業員を雇うときは正社員をイメージする社長さんが多いですが、その後事業が順調に拡大していき増員を図る場合は様々な雇用形態の方を適材適所に配置する必要が出てきます。ここでパートタイマー、アルバイトの活用が考えられます。

 ただし、雇われる側のパートタイマー、アルバイトの希望、諸条件を事前に確認する必要があります。

最低、下記のことを確認することが重要でしょう。

勤務・日数時間

どういう働き方を希望しているのか

社会保険

社会保険に加入したいのか

雇用保険

雇用保険に加入したいのか

年収額(所得税)

配偶者がいれば扶養の範囲内で働きたいのか

年収額(社会保険)

配偶者がいれば扶養の範囲内で働きたいのか

年収額(年金受給)

年金を減額されない範囲内で働きたいのか

 社会保険の加入基準、雇用保険の加入基準、所得税の扶養要件、社会保険の扶養要件は法律等で定められていますので、パートタイマー、アルバイトの希望・諸条件が確認できたら、それに沿った勤務時間、勤務日数を設定します。

 ここをはっきりさせないで雇った場合は、その後トラブルに発展することもあります。年末の忙しいときに年収調整のために休まれたり、途中で退職されたりと会社にとってはダメージは少なくありません。

 正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイトにも『労働(雇用)契約書』を作成しておくことは重要になってきます。

●労働契約書(雇用契約書)

労働(雇用)契約書とは

 労働契約書とは採用決定者に給料、労働時間(始業時刻、終業時刻、休憩時間)、休日、給料、手当その他労働条件を記載した書面をいいます。

 いろいろな書式がありますが、会社にとって使いやすい形式のものを利用しましょう。たかが紙切れ一枚ですが、法律的には大変重要な書類になってきます。
ひな形そのままの利用はリスクが高いので会社の実態に沿った約束出来る範囲内で作成することがポイントです。

労働(雇用)契約書の締結事項

 労働基準法は、労働者保護の観点から「使用者は労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と規定しており、労働基準法施行規則は使用者が明示しなければならない労働条件として、次のものを挙げています。

  1. 労働契約の期間(解雇の事由を含む)
  2. 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
  3. 始業・就業の時刻、休憩時間、休日、休暇
  4. 賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払いの時期、
    昇給に関する事項
  5. 退職に関する事項
  6. 退職手当の適用される労働者の範囲、退職手当の決定、
    計算と支払いの方法の時期に関する事項
  7. 退職手当を除く臨時の賃金等及び最低賃金額に関する事項
  8. 労働者に負担させるべき食費、作業用品等に関する事項
  9. 安全及び衛生に関する事項
  10. 職業訓練に関する事項
  11. 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
  12. 表彰及び制裁に関する事項
  13. 休職に関する事項

※上記(1)~(5)までは、労働者に書面を交付して必ず明示しなければならない事項で、以下(6)~(13)は使用者がこの定めをする場合にだけ明示しなければならない事項です。

このように、雇用契約(労働契約)は、使用者と個々の労働者が話し合って、契約するのが建前ですが、使用者は労働条件を集団的画一的に決定するため、就業規則で労働条件を決めておき、労働者を雇い入れるときに、個別に労働条件を取り決めるのではなくて、就業規則を利用して画一化を図っているところが多いのではないかと思われます。

●試用期間
試用期間満了で辞めさせたい場合

 試用期間を設けた労働者は、契約社員ではありません。
よく、試用期間満了で辞めさせるのは、契約期間満了の退職と同じであると「勘違い」している経営者がいらっしゃいますが、間違いです。
そもそも、試用期間は「期間の定めのない労働契約」いわゆる正社員で雇った場合に設ける事が出来ます。

 したがって、試用期間満了で辞めさせる場合は、「解雇」となりますので、労働基準法20条により原則「30日以上に解雇を予告する」「即日解雇の場合は、給料とは別に平均賃金30日分以上の解雇予告手当の支払い」が必要です。
ただし、雇い入れ後14日を経過していない場合は20条は適用除外されます。

 ただ、試用期間満了による解雇で「不当解雇だ!」と民事上の争いとなった場合は、通常の解雇よりは、解雇が有効か無効か?という判断が、若干緩いと言われています。

試用期間中は雇用保険を入れなくて良い?

 雇用保険の手続きをしている中でも、「雇用保険は、試用期間中入れなくて良い。」と勘違いしている経営者の方がいらっしゃいます。

 雇用保険は、雇い入れ時(入社時)から入れなければなりません。最近、労働者も疑問に思った場合、すぐにネットやハローワーク、労働基準監督署などの総合労働相談コーナーに電話をし、確認する人が増えています。「ウチの会社の決まりで、試用期間は雇用保険に入れないことになっている。」は、もう通用する時代ではありません。

 なお、労働者にとって雇用保険の加入期間が、自己都合退職の場合12ヶ月間、会社都合の退職の場合6ヶ月間無ければ、失業手当を貰う事が出来ません。在職中に労働者からは、原則何も言ってこないですが、退職間際又は退職後に試用期間中の雇用保険加入期間を遡って訂正加入を請求してくるケースもあるので、注意が必要です。

 また、助成金を貰っていた会社が、試用期間中に雇用保険加入していなかった事が、助成金支給後の役所の調査で判明し、不正受給として全額助成金を返金させられたケースもあります。

試用期間中は社会保険を加入しないで良い?

 最後に一番多いケースが、試用期間中に社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入していないケースです。中小企業にとって、健康保険料・厚生年金保険料は非常に高く、痛手となっているのが実情です。

 しかし、そもそも試用期間で雇っている事自体、「期間の定めのない労働契約」いわゆる正社員として雇用している為、雇い入れ時から社会保険に加入しなければなりません。
たまに雇用保険の加入日と社会保険の加入日が違っている会社を見かけることがありますが、様々なリスクがありますので留意する必要があります。

 雇用保険と同様、労働者又はその家族の申告により試用期間中の未加入が発覚するケースが増えています。試用期間中に健康保険が使えないのと、国民年金を夫婦共に掛けることに疑問を感じて社会保険事務所に問い合わせをするそうです。

●有給休暇、慶弔休暇、解雇、退職金、健康診断
年次有給休暇

年次有給休暇については、法律上付与しない事とすることはできません。

ですから試用期間を含めて、雇用期間が6ヶ月になった場合には10労働日の年次有給休暇が発生します。しかし、中小企業の殆どは少数精鋭で運営されていると思われます。その趣旨を十分に労働者に理解してもらい、事前に業務調整等を行うような職場風土を築いていく必要があります。

慶弔休暇

慶弔休暇は法律上設ける必要はありません。

慶弔休暇がないというルール設定も可能です。しかし一般的には慶弔休暇を設定します。
日数の設定については、会社の運営を考慮し決定していくことが重要でしょう。

解雇は30日前に予告をすれば出来るのですか?

労働基準法第20条により、30日前に予告をするか、30日分の平均賃金を払いなさいと規定されていますが、これは最低限の手続きを規定したものです。

労働者が解雇について異議がないのであれば特段問題は発生しないでしょうが、異議を申し立てた場合は事情が変わってきます。民事上の契約である雇用契約の解除は、客観的、合理的な理由が必要になります。

では客観的合理的な理由とはどの様なものでしょうか。非常にハードルは高いです。能力不足で労働者を解雇することは非常に難しいです。十分に話し合って、解決を図らなくてはなりません。

期間の定めのある雇用契約の場合、
雇用契約終了をもって労働者を退職させることは出来るのですか?

期間の定めのある雇用契約であっても、契約が更新をされ、実態としては期間の定めのない雇用契約と同じである場合や、契約更新が一回も為されていない場合でも、労働者が契約の更新を当然に期待する場合については、解雇と同じ客観的合理的理由が必要になります。

期間の定めのある雇用契約を締結している労働者であっても、その労働者を退職させる場合にはしっかりとした話し合いが必要になります。

有期雇用契約のリスク

有期雇用契約は1年間とか6ヶ月とか期間を区切って雇用契約を結ぶもので、その契約期間の満了で雇用契約も終了します。

会社にとって都合のいい契約にも見えますが、リスクもあります。
上記項目もそうですが、期間満了前の契約解除はその残存期間に応じた賃金支払いを求められることも相手方次第でありますので十分留意する必要があります。

退職金について

退職金については、その原資を社内に内部留保しておくことは現実的ではありません。

中小企業退職金共済(中退共、中退金)に掛け金を積み立てておく退職金共済に加入することが無難かもしれません。その場合も、総額人件費の管理は必要です。
退職金の外部積立のメリット、デメリットをよく確認しないと思わぬトラブルが発生することもあるので事前に十分検討してから退職金制度を導入したいものです。

健康診断について

労働者の健康診断は、雇い入れ時と年一回の実施が義務づけられています。

また、月間の労働時間が80時間を超える場合には医師による面接指導をさせなければなりません。労働基準監督署の臨検では必ずチェックされる項目ですので留意する必要があります。

業務対応地区

【中国地方】-山口県、広島県、岡山県、島根県、鳥取県

【九州地方】-福岡県、大分県、熊本県、長崎県、佐賀県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県

【四国地方】-愛媛県、香川県、高知県、徳島県

※ただし、下記の業務は全国対応が可能です。

【労働トラブル対応・解決業務】

  • 労働基準監督署の対応
  • 合同労組・ユニオン・労働組合の対応
  • 未払い残業代請求対策対応

【トラック運送業の賃金制度】

  • 2024年問題の対応・対策
  • 労働時間管理構築
  • 未払い残業代対策
  • 賃金制度構築(歩合給、固定残業)
  • 働き方改革の実務対応

【就業規則の作成・変更・見直し】

  • 固定・定額残業制度の導入
  • 退職金制度の設計

【労務監査(M&A合併を含む)】

  • 労働条件審査、セミナー講師
  • M&A合併、事業譲渡

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