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有給休暇5日の取得義務

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●有給休暇は人件費です!(総額人件費管理)

   新規開業の経営者や、未払い残業代を請求された経営者に対して、弊所がよく使う説明資料として下図をご紹介します。一言でいえば、「月給を決めるときはそれに関連する諸費用も見積もらないと適正な労働分配率を超えて経営を圧迫しますよ!」と、ちょっと真顔で説明したりします。

  月給だけが人件費じゃないと言うことをこの図で表現しています。様々な諸費用を見積もれば自ずと月給の数字がイメージ出来ると思います。これまでは、「残業代を費用計上した月給をイメージして下さい」と、アドバイスしてきましたが、今後は、「有給休暇は全部消化されると想定して月給をイメージして下さい」というフレーズも加わりそうです。

●有給休暇の強制取得(2019.4~)

働き方改革関連法の中で、一番早く対応を迫られるのが、有給休暇の年間5日取得義務化です。他の施策と違って、中小企業の猶予措置の適用はありません。普段から有給休暇の取得率が高い企業はさほど大きな影響はないですが、以下に該当する企業は対策を立てる必要があります。

 

  有給休暇の取得率が低い
有給休暇の管理をしていない
そもそも有給休暇の文化がない
パートタイマー、非正規社員が多い

 「パートタイマーには有給休暇はない」という都市伝説は一昔前の話であり、現在の情報化社会では通用しないのは言うまでもありません。一定の条件を満たすパートタイマーは、この「年間5日取得義務化」の対象となります。正社員の有給休暇は管理しているが、パートタイマーの有給休暇は何も管理していない企業が意外にも多いことを、ここ最近の労働相談から実感しています。

●有給休暇の強制取得とは

有給休暇の強制取得、ちょっと過激な表現ですが正確には「使用者による有給休暇の時季指定義務」になります。有給休暇は労働者の視点からみると「権利」ですが、使用者の視点からみると「義務」になります。

 簡潔に言うと、年間5日以上の有給休暇を消化させることが使用者に義務づけられ違反すると、罰則の対象となります。労働基準監督署が5日の取得を確認する為に、有給休暇管理簿が法定帳簿となり作成が必須となります。

●有給休暇の強制取得の対象者

対象となる労働者ですが、下図にまとめてみました。10日以上有給休暇が発生する労働者が対象となります。ポイントは、年10日以上の有給休暇が何時付与されるかです。次のいずれかの3パターンになります。

●有給休暇の強制取得の対象者とならない労働者

対象とならない労働者を、下にまとめてみました。労働者自身の申し出により既5日以上の有給休暇を取得している場合や、5日以上の計画年休を運用している場合は強制取得の対象とはなりません。

 要するに5日の取得実績があれば法の趣旨を満たすことになります。また、週2日以下勤務の労働者は、制度的に年10日の有給休暇が付与されませんので対象から除外されます。

●有給休暇管理簿の作成義務

労働基準法では、法定3帳簿と称され企業に作成を義務づけている帳簿があります。(1)労働者名簿、(2)出勤簿、(3)賃金台帳の3つです。今回の改正で「有給休暇管理簿」が法定帳簿として加わりました。多くの企業では既に有給休暇の管理をされているかと思いますので影響は限定的でしょう。ただし、パートタイマー等の非正規労働者の有給休暇を管理していない企業は早急な対応が必要です。

  1. 労働者の氏名
  2. 採用年月日
  3. 基準日(基準期間)
  4. 新たに付与された日数
  5. 前年から繰り越された日数
  6. 取得日数
  7. 残日数

●有給休暇の強制取得・・・先ずすべきこと

先ず自社における現状確認を実施することをお勧めします。その結果、有給休暇の取得率が低い、パートタイマー等の管理漏れがあれば対応策を考える必要があります。

現状確認

(1)取得状況の確認
(2)取得5日未満の労働者のピックアップ
(3)年10日付与に至る時期
(4)パートタイマー、非正規社員の管理漏れ

有給休暇の管理をしていない場合

(1)採用日から起算して基準日を算出
(2)当年発生分、前年繰り越し分の把握

有給休暇を管理していない場合は、労働者数にもよりますが、結構な作業になります。最終的には、各人の直近2年分の有給休暇の把握が必要となります。ポイントは、採用日から起算して基準日を算出することです。採用日は労働者名簿から拾うことができます。

●有給休暇の強制取得・・・どのタイミングで適用?

有給休暇5日の取得義務は、2019.4から施行されますが、4月以降一律に適用されるかと言えばそうではありません。2019.4以降に到来する新たな基準期間から適用されことになります。新入社員であれば、2019.4以降に入社する者から適用になります。イメージ的には下図のようになります。

●有給休暇の強制取得の現実的な対応

有給休暇の取得率が低い会社は、5日取得のハードルをどうクリアするかを考える必要があります。社員が自発的に取得して貰えるよう働きかけることも考えられますが、社員任せでは実効性が乏しいのも事実です。

 やはり会社が有給休暇の取得を仕組みとして制度化した方が実効性が高いと思われます。法違反に対する罰則の対象は従業員ではなく使用者ですから、会社が主体的に取り組むべきと考えます。

厚生労働省のQ&Aより

年次有給休暇の取得を労働者本人が希望せず、使用者が時季指定を行っても休むことを拒否した場合には、使用者側の責任はどこまで問われるのでしょうか?

使用者が時季指定をしたにもかかわらず、労働者がこれに従わず、自らの判断で出勤し、使用者がその労働を受領した場合には、年次有給休暇を取得したことにならないため、法違反を問われることになります。・・・(略)

●有給休暇の強制取得の対応・対策(2パターン)

1.有給休暇の計画的付与

 会社が労働者代表との労使協定により、各従業員の有給休暇のうち5日を超える部分について、あらかじめ日にちを決めてしまうことができる制度です。

2.有給休暇の個別指定付与

 社員ごとに取得日数が5日以上になっているかを確認し、5日未満になってしまいそうな労働者について、会社が有給休暇取得日を指定する方法です。

1.有給休暇の計画的付与

計画的付与には、会社全体を休業させる一斉付与方式のほかに、班別で付与日を決める交替制付与方式、年次有給休暇付与計画表によって個人ごとに決める個人別付与方式の3通りがあります。それぞれの企業の実情に応じて選択するとよいでしょう。計画的付与の導入に際しては、労使協定の作成が必要となります。

  • 【一斉付与方式】
    全従業員に対して、同じ日に有給休暇を一斉に付与する制度です。例えば、工場などで、ラインの点検作業等操業を一定期間ストップさせて全社員を一斉に休業させるようなシチュエーションでは有効です。)
  • 【交替制付与方式】
    班別、課別、事業部別などグループ別に交替で有給休暇を付与する制度です。例えば、流通・サービス業など、定休日を増やすことが難しい企業・事業場などで活用されています。
  • 【個人別付与方式】
     上記の2つの付与方式は複数人を想定していますが、計画的付与は個人別にも採用することが可能です。お盆、お正月、5月の連休のほか、誕生日など従業員の個人的な記念日を付与日にすることも出来ます。
2.有給休暇の個別指定付与

 計画的付与は労使協定の作成が必要となり、付与日の変更については柔軟性がありません。文字通り計画性が必要となります。いっぽう個別指定付与方式は、労使協定の作成は不要で、付与日の変更についても柔軟性があります。基本的には、社員の意向を聴取して会社が有給休暇の取得時季を指定します。厚生労働省の通達(平30..7基発0907第1号)で、有給休暇取得計画表について触れられていますので、以下ご紹介します。

 厚生労働省の通達で、有給休暇取得計画表について以下触れられていますので、ご紹介します。これも個別指定付与方式の一類型になるでしょう。

有給休暇取得計画表平30..7基発0907第1号

 使用者は、労働基準法第39条第1項から第3項までの規定により使用者が与えなければならない年次有給休暇(以下「年次有給休暇」という。)の日数が10労働日以上である労働者に係る年次有給休暇の日数のうち、5日については、基準日(継続勤務した期間を同条第2項に規定する6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいう。以下同じ。)から1年以内の期間に、労働者ごとにその時季を定めることにより与えなければならないものであること。

 この場合の使用者による時季指定の方法としては、例えば、年度当初に労働者の意見を聴いた上で年次有給休暇取得計画表を作成し、これに基づき年次有給休暇を付与すること等が考えられるものであること。

●有給休暇の発生要件

有給休暇は勤続年数と出勤率の2つ要件を満たしたときに発生します。意外と見落としがちなのが出勤率の算定です。出勤すべき日の8割のチェックをしていない企業さんがたまに見受けられます。出勤不良の社員のケースでは、6ヶ月後に有給休暇が発生しないこともあります。「全労働日」とは、雇用契約書に記載された本来出勤すべき日と捉えても問題ないでしょう。

●有給休暇の付与日数(通常の労働者とそれ以外の者で付与日数が違う)

 下図の上段の表が「通常の労働者」に付与される有給休暇の日数です。下段の表が「通常の労働者以外の者」に付与される有給休暇の日数です。「通常の労働者」、「通常の労働者以外」を筆者なりにザックリと定義づけしてみました。

通常の労働者」とは

⇒ 1週の所定労働日数が5日以上の労働者

 正社員はもちろん該当します。月曜日~金曜日まで勤務するパートタイマーも該当します。契約社員、アルバイト等の名称に関わらず、採用日から6ヶ月経過すれば、「10日の有給休暇」が付与されます。

 

通常の労働者以外の者」とは

⇒ 1週の所定労働日数が4日以下で、かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者

 ザックリと言い換えれば、社会保険に加入していない週4日以下勤務の労働者となるでしょうか。週の所定労働日数(1日~4日)に応じて、図下段の表の様に有給休暇が付与されます。これを「比例付与」と言います。

●有給休暇の繰り越し(有効期間)

有給休暇の有効期間は付与日から2年間です。ですから基準日に発生した有給休暇は翌年に繰り越すことができます。繰り越した有給休暇および翌年の基準日に付与された有給休暇の合計が本人の残日数となります。例えば、下図で説明してみましょう。入社半年で10日付与された従業員が6日消化して、1年後11日付与された場合は、未消化の4日分と、新規付与分の11日を合計して15日が有給休暇の残日数となります。

 入社7年6ヶ月目の基準日においては、理論上「前年繰り越し分20日」+「当年発生分20日」の最大40日の持ち分が最大日数となります。有給休暇の文化のない会社では、退職する時に40日消化分を見越して退職日を決める社員も、今後は出てきそうです。

●有給休暇の取得時季

●有給休暇の権利・・・時季指定権 vs 時季変更権

有給休暇に関しては、2つの権利を理解する必要があるかと思います。
一つは、再来週沖縄に旅行するので○月○日の金曜日に有給休暇を取ります。これを労働者が有する「時季指定権」と呼ばれています。

 もう一つは、○月○日の金曜日は納品の立ち会いがあるから、有給休暇で休まれたら困るので、有給休暇取得を別の日にしてくれないだろうか。これを使用者が有する「時季変更権」と呼ばれています。

 実際こんなやり取りが職場で行われていることもあるでしょう。権利と権利がぶつかってしまうことは、なにも労働契約に限ったことではありません。この事例では法律的には、経営者に不利なジャッジがされることも・・・過去の判例、裁判例ではやはり「時季指定権」を支持する判決が多く出されています。

業務対応地区

【中国地方】-山口県広島県、岡山県、島根県、鳥取県

【九州地方】福岡県大分県熊本県、長崎県、佐賀県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県

【四国地方】-愛媛県、香川県、高知県、徳島県

※ただし、下記の業務は全国対応が可能です。

【労働トラブル対応・解決業務】

  • 労働基準監督署の対応
  • 合同労組・ユニオン・労働組合の対応
  • 未払い残業代請求対策対応
  • セクハラ、パワハラ対応

【トラック運送業の賃金制度】

  • 2024年問題の対応・対策
  • 労働時間管理構築
  • 未払い残業代対策
  • 賃金制度構築(歩合給、固定残業)
  • 働き方改革の実務対応

【就業規則の作成・変更・見直し】

  • 固定・定額残業制度の導入
  • 退職金制度の設計

【労務監査(M&A合併を含む)】

  • 労働条件審査、セミナー講師
  • M&A合併、事業譲渡

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