労働問題のことなら、労働基準監督署の是正勧告の対応、合同労組・ユニオンの対応などを数多く手掛ける山口県下関市の「赤井労務マネジメント事務所」にお任せを!

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労災事故(死亡事故、障害、休業申請)の対応

(申請、手続、届出、代行)

労災事故の対応なら、事例が豊富な弊所へ、お任せください!

労災事故が発生すると、会社としては、通常業務にはないイレギュラーな対応に迫られます。多くの会社では、労災事故は滅多に起きないでしょうから、なおさら対応には苦慮するところです。

「何から手を付けたら良いのか分からないのが現実」だと思います。

 それが、重大災害(死亡事故、重度障害)となると、対応すべき事項が多岐に渡ってきます。優先順位を間違えてしまうと、被災者・遺族との関係、行政機関(労働基準監督、警察署)の対応に大きな支障が出てきます

 また、業務災害・通勤災害が、交通事故のケースでは、第三者行為災害に該当し、自賠責保険、自動車保険との調整、更には政府労災との求償、控除の問題も出てきて、より複雑さが増してきます。後々の補償額にも影響することも決して珍しいことではありません

 労災事故対応のポイントは、然るべき時期に、然るべきアクション(手続、確認)をとることです。この対応を間違えると、被災者・遺族との今後の交渉に支障が出てくること、労働基準監督の行政処分・検察庁送致にも影響が出てくる可能性があります。

 重大災害であれば、企業の安全配慮義務が問われ、被災者・遺族からの民事損害賠償請求が通常は行われます。また、労働安全衛生法違反を指摘されると、違反の程度によっては、労働基準監督が書類送検し、刑罰が決定します。

お手伝いできること
  1. 労働基準監督との対応
  2. 給付基礎日額等の賠償金算出根拠の整理
  3. 労災、国民年金、厚生年金の給付概算額の確認
  4. 労災保険給付に係る申請手続
  5. 労働者死傷病報告書の作成
  6. 国民年金・厚生年金の申請手続
  7. 労災就学援護費の申請(死亡、重度障害)
  8. 労災給付受給額の概算見込額算出
  9. 弁護士さんのご紹介(民事賠償の示談に備えて)

労災事故が発生したときの対応のポイント

労災災害が発生した場合は、対行政機関(労働基準監督、警察署)と、対被災従業員の2つに分けて対応する必要があります。

  1. 労働基準監督、警察署
  2. 被災労働者又は遺族

それでは、以下順を追って説明していきます。

労災事故発生時の緊急的対応

事故発生直後の初期対応

  • 初期の通報
  • 労災事故現場の確認

 事故発生直後の初期対応に、万全を期すことが、被害の拡大を防ぐことにもつながってきます。救急、監督署の連絡も並行して行うことが重要となる。事故の目撃者の確認、事故現場の保存・写真撮影も行うことで、事故報告の際の資料となる。

被災従業員の負傷状況の確認

  • 被災労働者の救出
  • 病院への搬送
  • 社内連絡

 事故現場では、被災従業員の負傷状況の確認をすることが求められる。場合によっては、その場で救急措置を施すことも必要である。被災程度に応じて、病院への搬送方法をどすうるかを早急に決める必要がある。

 受入病院への手配も必要になることから、一般的には救急車を呼ぶことになる。事故情報については、会社のトップに速やかに伝えることも、現場責任者の仕事になる。

被災者家族への連絡

 一般的には、入院が必要な場合は、被災者家族連絡することになる。到着後、事故の発生状況を説明する。なお、被災労働者が死亡した場合は、十分配慮した対応が求められる。

労働基準監督への緊急報告

 災害が死亡災害、重大災害等一定以上の場合、所轄労働基準監督への緊急報告が必要となる。通常は、電話連絡となる。

 現地調査が実施されるのであれば、現場を保存し調査立ち会いへ向けて準備する。この緊急報告とは別に、労働者死傷病報告の準備も併せて行うとスムーズな対応がとれる。 

労災事故現場の保存

  1. 事故目撃者の確認
  2. 現場の写真撮影
  3. 現場立会人の確保

労災事故調査への対応

現場調査は、災害発生の事故発生時の作業状況を特定することが目的となるので、事故当日の作業状況が説明できるよう準備を行う必要がある。

労災事故発生後の二次的対応

報告

  • 労働者死傷病報告
  • 事故報告

 労働者死傷病報告は、休業日数が4日以上(様式23号)か4日未満(様式24号)かで提出様式が違ってきます。

事故報告は、安衛則96条に列挙された事故が発生した場合に提出する必要がある。(様式23号)

独自に事故調査を実施

  • 労災事故の調査
  • 再発防止の対策

 労働基準監督の実況見分とは別に、社内において独自に事故調査を実施し、再発防止策を取りまとめることが重要である。その際、確定された再発防止策は、社内に周知徹底する必要がある。

労災保険の申請

 まずは、療養補償給付、さらに休業が伴う場合は、休業4日目以降について休業補償給付が支給される。被災状況により、障害補償給付、遺族補償給付、葬祭料、介護保障給付等の保険給付も請求することになる。

民事損害賠償の対応

 被災者・遺族は、加害者に対し、損害賠償請求を免除することが出来るが、この場合、労災保険給付を受ける権利を失う可能性があるので、十分留意する。
(昭38.6.4最高裁三小判決)

労働安全衛生法違反としての捜査

 労働安全衛生法が定める所要の措置を講じていない状況で発生した事故の場合、労働安全衛生法違反疑義事件として立件される。地方検察庁に送検され、処分を待つことになる。初犯であれば、公判請求することは希で、略式起訴となることがほとんどである

労災かくしは割に合うか?

「労災かくし」とは

一般的には・・・

  1. 「労働者死傷病報告」を提出しない
  2. 虚偽の内容を記載して提出する

とされています。

 労災かくしを行う動機は、建設土木業界においては、事故発覚による元請け事業者からの切り捨てを恐れて、公共工事であればペナルティを受けるのを恐れて等、事情は様々です。ついつい、軽い気持ちで行うのですが、れっきとした犯罪行為に当たります。労災認定を受ければ、受給できたであろう、治療費、休業手当等、被災労働者の受ける不利益も少なくありません。

 労災かくしの発覚は、被災労働者の家族からの通報、同僚労働者からの通報等、身近な者からの通報がほとんどです。労災かくしが、労働基準監督に発覚した場合は、極めて重い処分(司法処分)を覚悟する必要がある。一定期間経過したあとで、発覚することも、この労災かくしの特徴といえる

 健全な事業の存続のことを考えたら、この労災かくしは、全く割に合わない愚かな行為であると考えます。

根拠条文(労働安全衛生規則)

第97条(労働者死傷病報告)

  1. 事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、様式第二十三号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない
     
  2. 前項の場合において、休業の日数が四日に満たないときは、事業者は、同項の規定にかかわらず、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの期間における当該事実について、様式第二十四号による報告書をそれぞれの期間における最後の月の翌月末日までに、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない
関連条文(労働安全衛生法)
  • 第120条(罰則)
    次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する
    5 第100条第1項又は第3項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者
  • 第122条(罰則)
    法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第116条、第117条、第119条又は第120条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する

労災事故に関する保険給付
(死亡、療養、休業、遺族給付、療養給付、休業補償)

労災事故が発生した場合、使用者は、その過失の有無に関わらず、被災労働者に対して、一定の補償を行う必要があります。

 民事上の損害賠償請求においては、過失の存在が認められるのに対して、労災保険の補償制度に関しては、過失の存在は問われないのが特徴です(使用者の無過失責任)。

労災事故に関する保険給付

どんな場合に

給付の種類

給付の内容

療養のため休業する場合

療養補償給付

療養費の全額

休業補償給付

休業4日目から、1日当たり給付基礎日額の6割相当額

傷病補償年金

療養開始後1年6ヶ月を経過しても治らず、障害の程度が傷病等級に該当する場合、給付基礎日額の245日~313日分の年金

傷病が治癒後、

障害等級に該当した場合

障害補償年金

障害の程度に応じて、給付基礎日額の131日分(7級)~313日分(1級)の年金

障害補償一時金

障害の程度に応じて、給付基礎日額の56日分(14級)~503日分(8級)の年金

労働者が死亡した場合

遺族補償年金

遺族数に応じて、給付基礎日額の153日分(1人)~245日分(4人)の年金

遺族補償一時金

遺族補償年金の受給できる者がいない場合、その他一定の遺族に対して、給付基礎日額の1,000日分の一時金

埋葬料

315,000円に給付基礎日額の30日分を加算した額(最低補償額として、給付基礎日額の60日分)

介護を要する場合

介護保障給付

1ヶ月当たり、常時介護の場合は、56,720円~104,530円、※随時介護

労災事故が発生したときの会社の責任
(民事責任、刑事責任、社会的責任)

 不幸にも労災事故が起こってしまった場合、会社はどんな責任を負うのでしょうか。被災従業員の状況にもよりますが、事態が重ければ多いほど、原則として、より重い責任が課されます。なぜ原則なのかと言えば、会社の労働災害防止について安全防止対策、安全配慮義務が履行されたかによって、責任の度合いが変わってくるからです。

刑事責任

(1)労働安全衛生法違反

 この法律は、会社に対して、直接、安全上の措置義務を課し、処罰に関しては、両罰規定を備え、行為者と併せて、法人責任を追及する仕組みになっています。捜査は、労働基準監督官が実施する。

(2)業務上過失致死傷罪

 刑法211条1項に規定する犯罪である。業務上必要な注意を怠り、これにより他人を死傷させる場合が、これにあたる。業務上過失と、相当因果関係の2つがポイントとなる。捜査は、警察署が実施する。

民事責任

 裁判では、使用者の安全配慮義務の履行状況が厳格に問われることになる。労働災害の発生が

  1. 予見可能なものであったか
  2. 結果回避の可能性があり、それを取ることが可能であったか 

が争点となる。

  1. 損害賠償の高額化
  2. 過失相殺による控除

 損害賠償額は、高額化している。死亡事故であれば、最低でも数千万円の補償は必要と思われる。労災上乗せ保険で、カバーすることもリスクヘッジとして重要である。被災労働者に過失が認められれば、損害賠償額の減額は一定程度において可能である。裁判実務上、この過失相殺の判断は、裁判官の自由な心証形成に委ねられている。

社会的責任(CSR)

 上記の刑事責任と民事責任は、従来から会社が追及される責任として存在していましたが、この社会的責任という概念は、そんなに古いものではありません。

 ステークホルダー(利害関係者)は、単に事業に直接関わる者でだけでなく、広く地域社会ひいては社会全体に及ぶものです。

 また企業の責任が、金銭的補償あるいは、刑事処分だけで果たされるものでもなく、この社会的責任に対して、企業がどう対応するかが、今後ますます重要になっています。

安全配慮義務とは

 安全配慮義務は、労働契約上の付随義務として、使用者に課せられた義務を言いますが、これは過去に出された判例(自衛隊整備工場事件:昭50.2.25最高裁三小)を拠り所にしています。

 その後、労働契約法が成立し明文化されました。この労働契約法は、民法の特別法としての位置づけですが、罰則等は規定されていません。しかし、裁判上、安全配慮義務は非常に重要な判断材料になります。

労働契約法第5条(労働者の安全への配慮)

 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

安全配慮義務の内容として
  1. 労働者の利用する物的施設、機械等を整備する義務
  2. 熟練労働者を配置する義務、安全教育義務、作業管理義務

安全配慮義務の留意点

裁判実務上、労働災害の発生につき・・・
  • 予見可能性
  • 結果回避可能性

 この2点について、使用者の安全配慮義務の履行が尽くされたか否かを判断することになる。労働災害の発生について、予見可能性がなく(全くの想定外であった)、結果を回避する手段もなかったというケースでは、使用者の責任と問われない。(実務上あまり無いと思われるが・・・)

 安全配慮義務違反に該当するか否かは、個々のケースで判断することになる。安全衛生法令の遵守だけでは、安全配慮義務を尽くしたことにはならない。しかし、安全衛生法令の違反は、義務違反を構成することになる。

 その他、行政通達、指針、努力義務規定なども、十分留意する必要があるのは言うまでもない。

損害賠償責任の調整

 労災事故が発生した場合、使用者の安全配慮義務違反が確認されれば、被災労働者・遺族は、労災保険給付請求権と事業主に対する損害賠償請求権の双方を有することになる。

 この場合、この2つの請求権が調整されることなく履行されると、損害の二重填補(実際の損害額より多くの支払い)という不合理が生じることになる。この場合、以下のような支給調整が行われる。

民事損害賠償と労災給付との調整の考え方
  1. 既に支給された労災給付は事業主がなした損害賠償額から控除することができる
  2. 損害賠償額の確定については、過失相殺後、労災給付額を控除する
  3. 労災給付を受けた場合、前払い一時金の最高限度額までは損害賠償の支払いを猶予され、また、この猶予期間内に年金給付または前払い一時金が支払われた場合は、その額を限度に損害賠償責任が免責される

原則として、労災給付から、民事損害賠償項目の逸失利益、療養費、葬祭費用について、支給調整される。

支給調整されない項目・費用
  1. 慰謝料、入院雑費、付き添い看護費用、改築費用
  2. 上乗労災補償、示談金、和解金、見舞金は、労災給付相当分との内容でない限り支給調整対象外
  3. 労災保険の特別支給金(労働福祉事業)
第三者行為災害と損害賠償との調整

損害賠償先行

同一の事由で、第三者の損害賠償が先行した場合は、その価額の限度で労災事故発生後3年間に支給事由が生じたものについて、労災給付は行わない

労災給付先行

同一の事由で、労災給付が先行した場合は、その価額の限度で労災事故発生後3年間に支給事由が生じたものについて、被災労働者の第三者に対する損害賠償請求権を代位取得する

業務対応地区

【中国地方】-山口県、広島県、岡山県、島根県、鳥取県

【九州地方】-福岡県、大分県、熊本県、長崎県、佐賀県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県

【四国地方】-愛媛県、香川県、高知県、徳島県

※ただし、下記の業務は全国対応が可能です。

【労働トラブル対応・解決業務】

  • 労働基準監督署の対応
  • 合同労組・ユニオン・労働組合の対応
  • 未払い残業代請求対策対応

【トラック運送業の賃金制度】

  • 2024年問題の対応・対策
  • 労働時間管理構築
  • 未払い残業代対策
  • 賃金制度構築(歩合給、固定残業)
  • 働き方改革の実務対応

【就業規則の作成・変更・見直し】

  • 固定・定額残業制度の導入
  • 退職金制度の設計

【労務監査(M&A合併を含む)】

  • 労働条件審査、セミナー講師
  • M&A合併、事業譲渡

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