労働問題のことなら、労働基準監督署の是正勧告の対応、合同労組・ユニオンの対応などを数多く手掛ける山口県下関市の「赤井労務マネジメント事務所」にお任せを!
団体交渉の申し入れ
団体交渉における立ち会い(同席します)
最終合意書の締結
【目次】下記クリックすればジャンプします
労働者が所属している会社を問わず、個人単位で加盟できる労働組合のことをユニオンまたは合同労組といいます。
ユニオン・合同労組は、一般的な会社別の労働組合とはちがって、複数の会社や異業種の会社の労働者が、その加入員となっています。
ユニオン・合同労組の特徴をあげると、次の5つの特徴があります。
未払残業代などのちょっとした従業員とのトラブルをきっかけに、従業員が合同労組に加入したり、解雇した従業員が合同労組に駆け込んで団体交渉の申入れがあったり、労働組合問題は経営の根幹を揺るがすような大問題に発展することも少なくありません。
合同労組・ユニオンからの団体交渉の申し入れがあった場合、突然のことでパニック状態になることもあります。労働組合法上認められた合同労組・ユニオンから団体交渉の申込みがあった場合は、使用者は原則としてこれに応ずる義務があります。
ただし、労働組合法第7条の二において、正当な理由があれば、団体交渉の申し入れを拒否することができるとされています。
よく、
『一人でも加入できる労働組合からの団体交渉申入れに何故、応じる必要があるのか?』
という質問を受けますが、以下の「千代田工業事件」が参考になります。
参考判決:大阪地裁(千代田工業事件)
労働組合がその組合員を雇用する使用者に対して、その組合員のために、団体交渉を求めることは当然のことであり合同労組も企業別組合と同様に交渉資格を有している
その時に、その会社の従業員が全員ないし多数加入していることは条件とはならず、その会社に労働組合があるかどうかも関係が無く、たとえ一人でも従業員が加入していれば、その合同労組は交渉資格を有するので、使用者は団体交渉の申し入れに応じなければならない。またこのことは会社に労働組合があろうとなかろうと、関係ない
合同労組が労組法上の労働組合であることについては、「ある企業の従業員が、その人数の多少にかかわらず、その企業の範囲を超えて、特定の産業、業種について、いわば横断的に組織する労働組合であっても、労働組合法2条の要件を充たす限り、労組法上適法な労働組合である」されています。
合同労組の要求を受け入れる義務はありません。
誠実に交渉し解決を模索し、結果的に話し合いが決裂することがあるかも知れません。
しかし、それは話し合いの結果によるものであり、最終的な合意迄は求められていません
具体的な対応は、要求事項を聴いてから慎重に対処するといった姿勢が必要となります。
労働組合法には、このような労働者の団結や活動を妨げる使用者の行為を四つの類型に分けて、不当労働行為として禁止しています。ここでは主な三つの類型をご紹介します。
会社の対応としては、上記三点に注意しながら、淡々と対応していけばいいだけの話です。特にユニオン(合同労組)では、2. 団体交渉拒否が問題になります。
不利益取扱いとは、労働者が以下の1~7に該当することを理由に、会社がその労働者を解雇したり差別するなど、不利益な取扱いをすることをいいます。
団体交渉拒否とは、正当な理由がないのに労働組合からの団体交渉の申しいれを拒否したりあるいは無視することをいいます。
何が正当な理由であるかは、交渉の対象事項、交渉担当者、交渉の手続きなどの具体的な事業に即して判断されます。また、不誠実な態度で団体交渉をすることも団体交渉拒否の一つとされています。
支配介入とは、労働組合の団結力を弱めるため、労働組合の結成や運営に対して会社がさまざまな干渉を行うことをいいます。
団体交渉に当っては、誠実に対応し、会社として主張すべき点は、主張し、毅然とした態度で臨む必要があります。
交渉の結果、合意可能な部分は合意し、合意出来なければ決裂となります。
団体交渉では、労使間の慣行が重要視されるので、団体交渉を行う場所や、日時、人員、交渉事項は、事前に必ず文書でもらうなど、十分に検討してから望むことが重要になります。
労働組合は、会社内の施設や会議室で団体交渉をするように求めてきますが、会社内の施設や会議室で団体交渉を行う法的義務はありません。
合同労組の事務所などと団体交渉要求書に記載してあることが多いものですが、会社近くのホテル、貸し会議室等に変更するよう通知することが必要です。
団体交渉の日時についてですが、労働組合の指定した日時で団体交渉を行う法的義務はありません。
労働組合が指定してきた日程で、会社側の都合が悪い場合は、早めに労働組合に伝えて日程調整をします。交渉の当事者が在職社員である場合、団体交渉は、給与を発生させないために、労働時間外で行うことが重要です。
団体交渉は、労使の代表が協議すれば良いので、大人数の出席は必要ありません。
会社側代表者として、規模にもよりますが、必ずしも社長が出席する必要はありません。
人事・労務の権限のある役員、人事課長、総務課長でも構いません。
なお、団交の場で回答できないことは、社内に持ち帰って検討すると言うことなどは問題ありません。
また、団体交渉は必要最低限の人数で行うようにしないと、余計な混乱を招きます。
合同労組・ユニオンによっては、議題を明らかにしないまま団体交渉を要求することがありますが、それでは何のために団体交渉を行うか不明です。
会社としても事前の準備ができないので、議題を明確にするよう要求します。
合同労組・ユニオンによっては、回答期限が著しく短く設定されているケースがありますので、余裕をもった回答期限を要求します。
団体交渉において、労働組合に提供する必要のある資料は、経営権から一定の限界があります。しかし一般に妥当と認められている程度の経理資料の提出義務は、誠実な交渉をするという点から信義則上あると考えられています。
団体交渉の申し入れは突然郵送で送られてきます。ほとんどの企業で初めての経験になるでしょうから、過去の経験もないのが普通だと思います。
ここではそのポイントご紹介します。
団体交渉の申し入書が代表者宛に届いた場合、動揺するのが普通です。担当部長に早く解決するよう指示するが、その担当部長がとにかく早く沈静化させようと準備せずに合同労組と団体交渉をしたり、暫定労働協約に動く可能性をあります。
社内の様々な者が社長に進言して、社内の結束が乱れることもあります。
ここは、社内が一丸となって合同労組と対等に交渉できる体制を作るのがポイントになります。
団体交渉の申し入れは、組合員の加入する合同労組・ユニオンの所在地にもよりますが、通常面談による団体交渉が可能な場合、文書の往復による団体交渉が可能なのでしょうか。ここではメリット、デメリットをあげながら説明します。
※団体交渉の方法については、文章の往復や電話などによる協議は、当事者の合意に基づくものでない限り、誠実交渉義務を尽くしたことになりません。(東京地判平2.4.11判時1352号)通常、合同労組が合意することはないでしょう。
書面によるやりとりは、基本的には日程調整、争点の明確化、団体交渉の最小限のルール設定にとどめた方が良いでしょう。
面談による団体交渉の留意点は、形式面と実質面の2つの視点で考える必要があります。
会社と合同労組が労働協約を締結する場合、合同労組が暫定労働協約を用意して記名押印を迫ってくることがあります。
協約の内容を確認しないで締結してしまうことが多々ありますが、これは絶対に避けなければなりません。
いったん労働協約を締結してしまうと就業規則以上に拘束されます。会社にとって有利な事項であれば問題ありませんが、不利益条項が多岐に渡る場合は今後の労使交渉において様々な弊害が生じてきます。
ここでは、実際にあった労働協約に若干の修正を加えたものをサンプル(会社に不利な事例)としてご紹介します。
A株式会社(以下「会社」という)とAユニオン(以下「組合」という)は、会社と組合が本労働協約を締結するまで、次の通り暫定労働協約を締結する。
第1章 総則
第2章 組合活動
第3章 団体交渉
労働者が合同労組・ユニオンに加入した場合、その後様々な書面が会社に送付されてきます。ここでは当事務所が関与し実在した書面をアレンジしサンプルとしてご紹介します。
労働組合からの通知書に対して会社は、回答書、答弁書、質問書等を作成し今後の協議の準備を進めていきます。
2010年1月10日
労働組合の結成について
A株式会社
合同ユニオンC
執行委員長○×○×
同Aユニオン
執行委員長×○×○
私たちは、下記の通り合同ユニオンC加盟のAユニオン(以下「組合」という)を結成いたしました。私たちは、健全な労使関係の確立を通じて働き甲斐があり将来に希望が持てる会社・職場を作るために努力を続ける考えです。今後とも、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
記
以上
組合発2010・××号
2010年○月×日
労働組合加入通知書
株式会社○○○○
代表取締役社長○○○○様
労働組合○○ユニオン
執行委員長○○○○
山口県××市××1-2-3
TEL××××-××××
●担当員 執行委員○○○○
時下、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、貴社社員である△△△△は、労働組合○○ユニオンに加入している労働組合員であることをご通知申し上げます。
私ども労働組合○○ユニオンは「人権労働運動」を基本路線としてかかげ、連合加盟の「全国ユニオン」に参加する労働組合です。今日まで中小企業労働者をはじめパート労働者、派遣労働者などの非正規雇用労働者問題などにも取り組み社会的に対案を提案してきたところであります。当労働組合○○ユニオンは個人加盟の地域合同労組であります。今後組合員の労働条件などにつきましては、当労働組合と交渉の上で決定されるように申し入れるものです。私どもは労使間の誠実な話し合いによって諸問題の解決を図る所存であります。よろしくお願い申し上げます。
なお、憲法、労働組合法などにより会社が次のような行為をすることは禁止されていますので、法違反となることのないよう、失礼ですが事前にお知らせいたします。
記
以上
2010年1月15日
団体交渉申入書
株式会社
代表取締役○○○○様
合同ユニオンC
執行委員長○×○×
同Aユニオン
執行委員長×○×○
合同ユニオンC(以下「ユニオンC」という)とAユニオン(以下「組合」という)はA株式会社(以下「会社」という)に対し下記の通り団体交渉を申し入れる。
記
*連絡先
Aユニオン執行委員長×○×○
ユニオンC○×○×
山口県××市××1-2-3
TEL××××-××××
以上
組合発2010・××号
2010年4月13日
要求書
株式会社○○○○
代表取締役○○○○様
労働組合○○ユニオン
執行委員長○○○○
以下の要求事項につきまして、直ちに団体交渉(労使間の話し合い)を開催されますよう要求いたします。要求の趣旨を十分にご理解の上、誠意ある回答をいただけることを期待するものです。
記
以上
【中国地方】-山口県、広島県、岡山県、島根県、鳥取県
【九州地方】-福岡県、大分県、熊本県、長崎県、佐賀県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県
【四国地方】-愛媛県、香川県、高知県、徳島県
※ただし、下記の業務は全国対応が可能です。
【労働トラブル対応・解決業務】
【トラック運送業の賃金制度】
【就業規則の作成・変更・見直し】
【労務監査(M&A合併を含む)】