労働問題のことなら、労働基準監督署の是正勧告の対応、合同労組・ユニオンの対応などを数多く手掛ける山口県下関市の「赤井労務マネジメント事務所」にお任せを!
労務管理の根幹をなすのが、労働時間管理です。ここを押さえることで、労働トラブルの予防にも繋がっていきます。逆に、ルーズな労働時間管理を行っていたことに因るツケは、例えば、「未払い残業代請求」という、思いもよらぬ請求を突然受けるかもしれません。
労働基準監督署の調査指導も、長時間労働の抑制の目的で、医療介護業界を重点的に行っているようです。
項目 | 内容 |
---|---|
(1)労働時間管理 | 労働時間を把握していない |
(2)36条協定未届 | 時間外労働、休日労働があるのにも関わらず届け出ていない |
(3)36条協定違反 | 36協定内容を超えて時間外・休日労働をさせている |
(4)時間外手当 | 時間外に応じた適正な残業代を支払っていない |
(5)時間外手当 | 時間外手当を算出するのに、算入していな手当がある |
(6)管理監督者 | 主任、師長等の管理監督者の範囲に問題 |
歯科医療機関では、職員数が10人未満であれば、1週間の法定労働時間44時間の特例を適用することができます。この特例を適用することができる事業所のことを「特例措置対象事業場」といいます。
この特例措置を実際に運用している医療機関は少ないのが現状です。労働基準法の例外的措置なので週44時間労働でも労基法違反になることはありません。ただし、1日の労働時間は原則どおりの8時間となります。まとめますと、以下の通りとなります。
新規開業の歯科診療所のケースでは、特例措置を適用して週44時間の労働時間管理を運用しても全く問題ないのですが、既存の歯科クリニックが現行週40時間を週44時間へ変更する場合は、留意する必要があります。
1週間、1ヶ月のトータル労働時間が増加しますので、給与給与の水準が現行のままであれば、「労働条件の不利益変更」に該当する恐れがあります。既存の制度変更については、変更時のプロセスが重要になってきます。
歯科クリニックにおける、最適な労働時間管理は1ヶ月単位の変形労働時間制度になります。
採用・導入のプロセスは特段難しいことでは無いのですが、しっかり運用出来ている歯科医院は少ないのが現状です。とういより、この制度を採用している歯科クリニック自体少ないと思います。
1ヶ月の変形時間を平均して、1週間の労働時間が週40時間以下になっていれば、繁忙期の所定労働時間が1日8時間、週40時間を超えていても、残業代の支払いをしなくても済むという制度です。
※(常時10人未満の従業員を使用する歯科医院は週44時間以下「特例措置対象事業場」)
各日、各週の労働時間を特定する必要があります。従って、予定のつかない勤務、行き当たりばったりの勤務形態では採用することができません。毎月の勤務シフトを法定労働時間内で組むことが求められます。
労働時間の総枠(週40時間) | 労働時間の総枠(44時間) | |
---|---|---|
1ヶ月(31日の月) | 177時間 | 194時間 |
1ヶ月(30日の月) | 171時間 | 188時間 |
1ヶ月(28日の月) | 160時間 | 176時間 |
月末・月初や特定の週、特定の曜日について、事前に忙しくなることがわかっている場合は、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用すれば、時間外労働の支払いの削減が可能となります。
ある月(31日の月)をみてみましょう。前提条件として・・・
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1週 | 4h | 9h | 4h | 17h | ||||
2週 | 休日 | 9h | 9h | 9h | 4h | 9h | 4h | 44h |
3週 | 休日 | 9h | 9h | 9h | 4h | 9h | 4h | 44h |
4週 | 休日 | 9h | 9h | 9h | 4h | 9h | 4h | 44h |
5週 | 休日 | 9h | 9h | 9h | 4h | 9h | 4h | 44h |
この月の、所定労働時間の合計時間は以下の通りとなります。
(17h+44h+44h+44h+44h)=193時間<194時間
1週当たりの平均労働時間は、193h×(7÷31)=43.58h<44h
法定労働時間をクリアしています。
この事例の時間外手当の削減効果として、17時間分の時間外労働手当が削減されます。
9時間労働の日が17日分組まれていますが、1ヶ月単位の変形労働時間制度のもとでは、予め8時間を超える勤務時間を組んでいれば、その時間を超えない限り時間外労働の取り扱いとはなりません。
この事例のケースでは、(9-8)×17日分で合計17時間の残業代が削減できています。
法定労働時間を超えて勤務してもらうときや、法定休日に勤務してもらうときは、一定の事項について労使協定書を締結して、所轄の労働基準監督署へ届け出る必要があります。
36協定を締結して、労働基準監督署に届出をすれば、スタッフは時間外労働あるいは休日労働を行う義務はあるのでしょうか??
・・・36協定の締結・届出だけでは、民事上の時間外労働あるいは休日労働の義務は従業員には発生しません。就業規則には勿論ですが、採用時に雇用契約書において、時間外労働の有・無、休日労働の有・無を明示することが、トラブルを予防する労務管理になります。
一定期間 | 限度時間 |
---|---|
1週間 | 15時間 |
2週間 | 27時間 |
4週間 | 43時間 |
1ヶ月 | 45時間 |
2ヶ月 | 81時間 |
3ヶ月 | 120時間 |
1年間 | 360時間 |
【中国地方】-山口県、広島県、岡山県、島根県、鳥取県
【九州地方】-福岡県、大分県、熊本県、長崎県、佐賀県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県
【四国地方】-愛媛県、香川県、高知県、徳島県
※ただし、下記の業務は全国対応が可能です。
【労働トラブル対応・解決業務】
【トラック運送業の賃金制度】
【就業規則の作成・変更・見直し】
【労務監査(M&A合併を含む)】