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医療機関と労働基準法

(医療機関、病院、診療所、クリニック、医院、歯科、薬局)

労働者の定義

病院に勤務する医師は、研修医であろうと、正規職員であろうと、労働者として労働基準法の適用をうけます。

針刺し事故で肝炎を発症した場合、労災保険によって補償されるのは労働者に限られます。

労働基準法第九条

この法律で「労働者」とは,職業の種類を問わず,事業又は事務所(以下「事業」という)に使用される者で,賃金を支払われる者をいう。

非常勤である研修医であっても医師免許を有する医師は労働者である―常勤・非常勤の区別なく労働者として法的な保護を受けます。

それでは、非常勤である「研修医」は労働者に該当するのか否か?

医師法16条の2第1項所定の臨床研修として病院において研修プログラムに従い臨床研修指導医の指導の下に医療行為等に従事する医師は、病院の開設者の指揮監督の下にこれを行ったと評価することができる限り、労働基準法上の労働者に該当します。

また専門医取得前の「後期」研修医に関しても、労働基準法第9条の労働者の定義を満たしており,労働者に該当します。

臨床系の大学院生は、一般の医師と勤務内容が変わらない業務に就いている時間については、臨床系の大学院生や研究生は労働者であり、労働時間として賃金を支払う義務があると判定される可能性が高いといえます。

法定労働時間は、週40時間で、かつ1日8時間です。(※特例事業所は週44時間)

労働基準法第三十二条

  1. 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
  2. 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
  3. 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。

労働時間とは,始業から終業までの全時間数である拘束時間から、休憩時間を引いた時間になります。この上限が法的には週40時間(※特例事業所は週44時間)とされています。

それでは、現実に行われている時間外労働は違法といえるのか否か?

労働基準法では、36協定(労働基準法第36条第1項の協定)を労使で締結し,時間外労働等に関する割増賃金を支払うことにより,時間外労働は違法ではないとされています。

さらに、36協定を締結しないまま週40時間(※特例事業所は週44時間)を超える時間外労働が行われた場合でも、使用者はその協定無しで行われた時間外労働の割増賃金を支払う義務があります。

休憩時間とは完全な自由時間のことをいいます。

労働基準法第三十四条

使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

労働時間とは,始業から終業までの全時間数である拘束時間から、休憩時間を引いた時間になります。この上限が法的には週40時間(※特例事業所は週44時間)とされています。

当直やその他診療を行っていない時間帯は休憩時間にあたるか否か?

労働基準法第34条3項には、「使用者は休憩時間を自由に利用させなければならない」と規定されており、患者の対応のために、控室等に待機するなど、使用者の指揮命令下での拘束の性格が認められる時間の場合、休憩時間ではなく、手待時間として労働時間として算定される可能性が高いと考えられます。

「発基第17号、昭和22年9月13日」によれば・・・

休憩時間とは単に作業に従事しない手待時間を含まず労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取扱うこととされている。

したがって、即応が求められる状態にある時は、仮眠をしていても、労働時間として認められるケースもある。業務の発生に備えて一定の場所などで待機する時間や仮眠時間、持ち場に就いたままで仕事の途切れた状態の手待時間が、原則として休憩時間として扱われない。

当直の定義

労働基準法第41による労働基準監督署長の適用除外 (監視断続労働、断続的労働)の許可を受けると、労働時間、休憩、休日に関する規定が除外されます。宿日直勤務はこれにあたります。

この適用除外の許可を受ける要件として・・・

  1. その勤務内容が通常の勤務と比べて労働密度が低い
  2. 労働時間等の規定の適用をしなくても労働者保護に欠けることがない

この許可を受けると、労働者を宿日直手当(給料の1/3以上)の支払で長時間拘束できます。例えば、定時の見回り、盗難防止の巡回電話番(緊急の文書や電話の授受)非常事態に備えての待機等が該当します。

医療機関であれば・・・
  • 病室の定時巡回
  • 少数の患者の検温、要注意患者の定時検脈

というような業務の場合、宿日直の適用除外許可が出ることになっています。

原則として診療行為を行わない休日及び夜間勤務が、労働基準法第41条3号の宿日直勤務であって、救急対応、急患対応を行う前提での勤務は、宿日直勤務ではないとされます。
また、労働基準監督署長の許可を得た41条3号の宿日直であっても、救急診療に従事した時間については労働時間であり、時間外・休日・深夜の割増賃金を支払う必要があります。

当直勤務の制限として・・・
  • 宿直は週1回、日直は月1回が上限
  • 医師、看護師の宿直には許可基準が別枠で細かく定められています
  • 宿直には、相当の睡眠施設を備えることとなっています

当直(宿直、日直)の問題点

当直とは、本来はこの宿日直のことですが、現実には、夜間や休日の労働(通常業務)になっています。
夜間休日に何人もの急患が来院し、電話の問い合わせは何件もかかってきますし、入院患者の処置や緊急事態の対応でほとんど休めず、となっている病院が意外と多いものです。

基準看護の病棟の看護師の夜間労働は、宿直、当直ではなく、夜間(時間外)の通常業務 (夜勤、時間外労働)です。

夜間救急当番病院の救急業務をこなす、いわゆる当直医は、当直と称しつつ、その実態は時間外労働をしています。法令で定める当直ではありません。
労働基準法や税法上の問題(宿日直と所得税)がある場合が少なからずあるはずです。

当直と認められない場合の影響(法的効果)

夜間休日には当直とは呼べない業務をこなすのは、夜間、時間外の通常業務であり、夜勤、時間外労働です。

  • 労働時間や休憩時間の規定が適用される
  • 賃金の通常の賃金額の支払い義務がある
  • 深夜手当等の割増賃金の支払い義務がある

宅直オンコールについて

宅直オンコールは手待時間(労働時間)と解釈されうることもあります。

欧州では宅直オンコールに関しても労働時間であると明確に規定され、労働時間規制の対象となっています。

それでは、宅直オンコール(自宅待機)はどう扱うべきか?

県立奈良病院の産科医が提訴した民事訴訟の判決では、奈良地方裁判所は宅直を労働時間としては認めなかった(平成18(行ウ)第16号時間外手当等請求事件平成21年4月22日奈良地方裁判所)。

しかし、この宅直が病院からの指示ではなく、自発的なものであったために労働時間に算定されなかったにすぎないということです。

平成20年3月28日、国立大学病院に対して労働基準監督署は・・・

(宅直)オンコール待機時間について,「拘束性が強い場合には、労働時間と判断される場合がある」との指導を行っている。
したがって、宅直オンコールは、救急外来に応需することを前提としている場合には、労働時間として認定される可能性が高いといえるでしょう。

仮眠時間について

大星ビル管理事件(最高裁判所第一小法廷、平成14年2月28日)は、ビル管理の泊り込み勤務の警備員の仮眠が労働時間(手待時間)として認められたケースである。

睡眠をとっていても、即応が求められる場合には、労働時間と判示されています。
この判決の考え方からすると、救急外来の合間における仮眠時間は、休憩時間ではなく手待時間(労働時間)である可能性が高いと思われます。

管理監督者

労働基準法41条では、労働時間、休憩、休日に関する規定の適用が除外される場合を規定しています。

労働基準法第四十一条

この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

二.事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

三.監視又は断続的労働に従事する者で,使用者が行政官庁の許可を受けたもの

労基法上の管理監督者 ≠ 医院の管理職

医師の場合、医長その他管理職に類する職階名がついて、管理職手当が支払われることがあります。しかし、管理職扱いをされても、管理監督者とは限りません。

労働省通達(発基第17号、昭和22年9月13日)では、管理監督者を以下のように定義しています。

監督又は管理の地位に存る者(管理監督者)とは、一般的には局長、部長、工場長等労働条件の決定、その他労務管理について経営者と一体的な立場に在る者の意であるが、名称にとらはれず出社退社等について厳格な制限を受けない者について実体的に判別すべきものであること

医師の場合、管理職であっても原則的に出勤時間は決められているでしょう。
また、経営者と一体的な立場で労働条件の決定や、職員の採用決定などの労務管理を行っている医師はごくわずかにすぎないと思われます。それ以外の場合は,労働基準法上の管理監督者とされる可能性は低いと考えられます。

したがって、医長その他管理職の肩書きを得ても、時間外・休日・深夜の割増賃金の支給対象である可能性が高くなります。

労働基準法36条1項に基づく労使協定(通称36協定)を締結すれば、使用者は週40時間を超えた労働を命じることが出来るようになります。

36協定が無い場合に、使用者より時間外または休日労働を命じられた場合には、労働者は拒否することも可能でしょう。
ただし、36協定が無いまま命じられた時間外労働に、労働者が自らの意志で応じた場合でも、その時間外労働に対して使用者は法定の割増賃金を支払う義務が生じます。

労働基準法第三十六条

使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条において「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。)に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる。
ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。

「労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」(労働省告示第154号、平成10年12月28日)により、

  • 1週間:15時間
  • 2週間:27時間
  • 4週間:43時間
  • 1ヶ月:45時間
  • 2ヶ月:81時間
  • 3ヶ月:120時間
  • 1ヶ年:360時間

しかし通達では、「延長時間が限度時間を超えている時間外労働協定も直ちに無効とはならない」(基発第1169号,平成11年3月31日)とあり、限度時間を超えた36協定の締結が無効とはいえない。

使用者の安全配慮義務違反

上記の限度基準の大臣告示の中にも、特別な事情(臨時的なものに限る)が生じたときに限り、一定期間に限定して、上記の上限時間を超える「特別条項」と呼ばれる協定を容認する規定条項があります。
36協定の限度時間をより長時間にすることも不可能ではないが、過労死認定基準(発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合に過重負荷があったとされる)を上回る時間外労働がなされた場合には、使用者の安全配慮義務違反が問われ、損害賠償請求の民事訴訟を起こされる危険性もあります。

36協定を労使で締結し、かつ、就業規則等で時間外労働・休日労働を命じることができる旨を規定した場合、週40時間(※特例事業所は週44時間)の法定労働時間を超えて労働させることが可能になります。

しかし、その際には割増賃金を支払う必要があります。サービス残業をさせた場合には、使用者が刑事処分を受ける可能性もあります。
また、指示しないのに労働したと使用者が抗弁する場合は、労働の必要性が無かった事実を使用者が証明する必要があります。

労働基準法第三十七条

使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

3.使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

 

時間外

深夜

平日

2割5分以上

5割以上

法定休日

3割5分以上

6割以上

なお、平成22年4月1日から上記法令の規定は改正され,月60時間を超える時間外労働が行われた場合には、その60時間超の時間外労働について5割以上の割増賃金を支払う必要が生じます。(なお、中小企業(病院はこの場合サービス業に分類され、100人以下または資本金,出資の総額が5,000万円以下の事業所)は当面猶予の対象になります)。

割増賃金の不払いは、使用者の立場にある個人に対して、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金という刑事罰の対象となります。

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  • 労働条件審査、セミナー講師
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